【司法書士が解説!】相続人1名が全遺産を取得し、他の相続人へ代償金を支払う「代償分割」で円満解決した事例

お客様のご状況

ご相談の背景

今回ご相談をいただいたのは、数か月前にお母様を亡くされた、ご兄妹の一人でした。

相続人は、ご相談者様ご本人と、お兄様、妹様の3名。

皆様、普段から仲が良く、お母様の遺産についても、円満に分けたいという共通のお気持ちをお持ちでした。

しかし、具体的な分割方法を考える段階で、一つの問題が持ち上がりました。

お母様の主な財産は、ご実家の不動産と、複数の金融機関の預貯金や株式です。

ご実家は物理的に三分割することはできず、かといって売却してしまうのも忍びない。

ご相談者様としては、できればご実家を相続し、住み続けたいという思いがありました。

一方で、お兄様と妹様は遠方に住んでおり、ご実家を相続しても管理ができません。

かといって、ご相談者様だけが全ての財産を相続するのでは、不公平感が出てしまいます。

「兄弟仲が良いからこそ、お金のことで揉めたくない。どうすれば全員が納得でき、かつ遠方の兄弟に迷惑をかけずに手続きを終えられるだろうか」。

そんな悩みを抱え、専門家である当事務所にご相談くださいました。

事案の概要

・被相続人: お母様

・相続人の状況: 子3名(ご相談者、兄、妹)

・主な財産: ご自宅の不動産、預貯金、株式

・ご相談内容: 不動産があり、公平な分割方法が難しい。遠方の兄弟に負担をかけず、円満に解決したい。

お客様のご要望

お客様のご要望は、以下の点に集約されていました。

・ご実家は自分が相続したいが、兄と妹にも不満が残らないよう、公平に遺産を分割したい。

・遠方に住む兄と妹に、手続き上の負担を極力かけないようにしたい。

・不動産の名義変更から、多数の金融機関での解約・名義変更まで、全ての相続手続き(遺産整理)を専門家に一任したい。

ぐんま相続センターからのご提案とサポート内容

ご提案

当事務所では、まずお客様が抱える「不動産がある場合の公平な分割」と「手続きの煩雑さ」という二つの課題を整理。

その上で、最適な解決策として「代償分割」による遺産分割協議をご提案いたしました。

これは、「相続人の一人(今回はご相談者様)が不動産や預貯金といった現物の財産を全て取得する代わりに、他の相続人に対して、その方の法定相続分に見合う現金(代償金)を支払う」という内容の合意を結ぶ方法です。

この方法であれば、ご相談者様はご実家を相続でき、ご兄弟は現金で公平な分配を受けられます。

さらに、この方法の最大のメリットは、最初に「遺産分割協議書」を1通作成し、相続人全員で署名・捺印さえすれば、その後の金融機関等での手続きは、財産を取得した相続人様が単独で(もしくはその方から依頼を受けた専門家が)進められる点にあることもご説明しました。

サポート内容

具体的に当事務所で実施したサポートは以下の通りです。

1.遺産分割協議書の作成と調印サポート

まず、当事務所が提案した「代償分割」の内容に基づき、法的に有効な遺産分割協議書を作成しました。

誰がどの財産を取得し、誰が誰にいくらの代償金を支払うのかを明確に記載します。

完成した協議書を、遠方にお住まいのお兄様と妹様へ郵送し、署名・捺印と印鑑証明書のご返送をいただくサポートを行いました。

お二人にご対応いただく手続きは、基本的にはこれ一度きりです。

2.不動産の名義変更

全員の合意が成立した遺産分割協議書に基づき、法務局へご実家の不動産の名義を、お母様からご相談者様へ変更する相続登記を申請いたしました。

3.金融資産の解約・名義変更手続き

遺産分割協議書により、預貯金や株式を相続する権限がご相談者様お一人にあることが公的に証明されました。

そのため、当事務所がご相談者様の代理人として、各金融機関・証券会社の窓口となり、口座の解約・払戻しや株式の名義変更手続きを全て代行しました。

お兄様や妹様から、金融機関ごとの委任状や署名を改めていただく必要は一切ありません。

4.代償金の支払いに関するサポート

全ての金融資産が現金化され、ご相談者様の口座に集約された後、契約通りにお兄様と妹様へ代償金が支払われたことを確認し、全ての手続きが円満に完了となりました。

結果とポイント

結果

当事務所が提案した「代償分割」の方法により、遠方にお住まいのご兄弟に何度も署名をお願いする煩わしさを解消し、ご相談者様はご実家を相続しつつ、ご兄弟も現金で公平な財産を受け取ることができました。

手続きの窓口がご相談者様と当事務所に一本化されたことで、相続手続きは停滞することなく、スムーズに進行。

ご兄弟の良好な関係を保ったまま、全員が納得する形で円満な相続を実現されました。

  1. 相続手続きのポイント

今回のケースでの、重要なポイントを解説します。

ポイント1:「代償分割」は、不動産を含む遺産分割の一つの解決策

不動産のように物理的に分割できない財産がある場合や、相続人の一人が事業を承継する場合などに、「代償分割」は非常に有効な手段です。

財産を現物で取得する人と、現金で取得する人で公平を保ちつつ、その後の手続きをシンプルにできるという大きなメリットがあります。

専門家にご相談いただくことで、このようなご自身では思いつかない解決策の提示が受けられます。

ポイント2:手続きの「窓口の一本化」が、関係者全員の負担を軽減する

相続手続きで最も大変なことの一つが、相続人全員から署名・捺印を都度もらうことです。

最初に法的な合意(遺産分割協議)を固めて手続きの窓口を一本化すれば、その後の連絡や書類のやり取りは、代表者(または専門家)と金融機関との間だけで完結します。

これは、時間的・精神的な負担を劇的に軽減します。

ポイント3:仲が良いご家族こそ、専門家による調整が重要

「自分たちでできる」と考えて手続きを始めたものの、その煩雑さから、かえってご家族間の関係がギクシャクしてしまうケースは少なくありません。

仲が良いご家族だからこそ、あえて専門家を「調整役」として間に入れることで、面倒な手続きから解放され、感情的なもつれを未然に防ぎ、大切なご家族の関係を守ることにつながります。

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この記事を担当した司法書士

司法書士法人リーガル・パートナー

代表司法書士

小和田 大輔

保有資格

司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者
群馬司法書士会 第475号
簡裁訴訟代理認定番号 第307038号

専門分野

不動産登記全般、相続全般

経歴

群馬司法書士会所属。平成10年に横浜国立大学卒業後、大手ハウスメーカーに入社。同年に宅地建物取引主任者試験に合格。平成13年に退社後、平成15年に司法書士試験と行政書士試験に合格。平成16年に合同司法書士リーガル・パートナーを開業。同年に簡易訴訟代理認定を取得。平成17年に群馬県初の司法書士法人である、司法書士法人リーガル・パートナー開業。現在は、群馬県の太田市を中心に、桐生市、高崎市に事務所がある。群馬県の相続の専門家として、群馬県内の相続の相談に対応している。


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