【司法書士が解説!】他の相続人と顔を合わせず、公正証書遺言で全財産を相続した事例

お客様のご状況

ご相談の背景

今回ご相談くださったのは、2年前にご主人様を亡くされた奥様でした。

ご主人様は生前、「全財産を妻に相続させる」という内容の公正証書遺言を作成しており、その遺言書の中で、奥様ご自身を遺言執行者として指定していました。

しかし、奥様は遺言書がある場合の相続手続きをどう進めていけば良いのか分からず、また、ご自身が遺言執行者として何をすべきなのかも見当がつかないまま、時間だけが過ぎてしまっていたとのことでした。

ご相談者様と亡くなったご主人様は、お互いに再婚同士で、お二人の間にお子様はいらっしゃいませんでした。

しかし、ご主人様には前妻との間に二人の、奥様にも前婚でのお子様がそれぞれいらっしゃいました。

特に、ご主人様の前妻とのお子様たちとは、生前からほとんど交流がなく、関係性も良好ではなかったため、「なるべく連絡を取りたくない。会って話をするのは避けたい」という強いご希望をお持ちでした。

大切なご主人様を亡くされた悲しみの中で、複雑な相続手続きをご自身で、しかも疎遠な関係の相続人とやり取りをしながら進めることに、大きな精神的負担を感じていらっしゃいました。

このままではいけないと一念発起し、当事務所のホームページをご覧になり、ご相談にお越しくださいました。

事案の概要

・被相続人(亡くなった方): ご主人様

・相続人の状況: 奥様(ご相談者様)、被相続人の前妻の子2名

・遺言の有無: 「全財産を妻に相続させる」旨の公正証書遺言あり(遺言執行者は奥様)

・主な財産: 信用金庫、銀行の預貯金、株式、有価証券、不動産

お客様のご要望

お客様のご要望は、以下の2点に集約されていました。

・公正証書遺言の内容に沿って、ご主人様の財産をすべて自分名義に引き継ぎたい。

・相続手続きを進める上で、ご主人様の前妻のお子様たちとは、可能な限り直接の連絡や接触を避けたい。

遺言執行者としての責任を果たさなければならないというお気持ちと、他の相続人と関わりたくないというお気持ちの間で、長年お悩みだったことがうかがえました。

ぐんま相続センターからのご提案とサポート内容

ご提案

当事務所では、まず奥様に公正証書遺言が持つ法的な効力と、遺言執行者の役割について丁寧にご説明いたしました。

そして、奥様の精神的なご負担を最大限に軽減し、かつ法的に適正な手続きを迅速に進めるため、「遺言執行者の補助者」として、当事務所の司法書士が具体的な手続きを包括的にサポートするご提案をいたしました。

サポート内容

具体的に当事務所で実施したサポートは以下の通りです。

1.相続人の調査(戸籍収集)

まず、法的に相続人となる方を確定させるため、亡くなられたご主人様の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取得し、相続人を正確に調査・確定させました。

これにより、前妻のお子様二方が相続人であることを公的に証明しました。

2.遺言執行者就任通知および財産目録の作成・送付

遺言執行者は、その任務を開始したとき、遅滞なく他の相続人に対して遺言の内容を通知する義務があります。

奥様のご意向を踏まえ、当事務所が通知の文面をすべて作成し、司法書士事務所の名称で、各相続人様へ「遺言執行者に就任した旨の通知」と「遺言書の写し」を郵送いたしました。

これにより、奥様が直接連絡を取る必要は一切なくなりました。

3.相続財産の調査および財産目録の作成

ご記憶にあった預貯金、証券だけでなく、他に財産がないかを確認するため、名寄せ調査等を実施。

ご主人様名義の財産をすべて洗い出し、正確な「財産目録」を作成しました。

今回は、金融資産のほか、不動産の有無についても調査を行いました。

判明した全財産を記載した財産目録を、上記の就任通知と併せて各相続人に送付し、手続きの透明性を確保しました。

4.金融資産の解約・名義変更手続き

遺言執行者である奥様からいただいた委任状に基づき、当事務所が各金融機関(信用金庫、銀行、証券会社)の窓口となり、残高証明書の取得から、預貯金の解約、株式・証券の名義変更まで、すべての手続きを代行いたしました。

煩雑な書類のやり取りや、平日の日中に金融機関へ出向くといったお手間を、すべて解消いたしました。

結果とポイント

結果

当事務所が遺言執行の補助者としてすべての手続きを代行した結果、ご相談者様である奥様が、ご主人様の前妻のお子様たちと一度も顔を合わせることも、直接言葉を交わすこともなく、すべての相続手続きを無事に完了させることができました。

公正証書遺言の内容通り、預貯金、証券、株式などすべての財産が、速やかに奥様の名義に変更され、2年間手つかずだった相続問題が、円満に解決いたしました。

手続き完了のご報告をした際、奥様からは「もっと早く相談すればよかったです。肩の荷が下りました。」と、安堵の言葉をいただくことができました。

  1. 相続手続きのポイント

今回のケースでの、重要なポイントを解説します。

ポイント1:公正証書遺言の絶大な効果

「全財産を妻に相続させる」という明確な意思が示された公正証書遺言があったため、法律上、他の相続人の同意や実印、印鑑証明書をもらうことなく、手続きを進めることができました。

もし遺言がなければ、関係の良くない前妻のお子様たちと「遺産分割協議」を行い、全員の実印をもらわなければならず、手続きは非常に難航したことが予想されます。

ポイント2:司法書士による「遺言執行補助」というサポート

ご自身が遺言執行者に指定されていても、何をすべきか分からない、時間がない、精神的な負担が大きい、という方は少なくありません。

今回のように、司法書士が「遺言執行者の補助者」として、相続人調査、通知、財産調査、金融機関とのやり取りなど、専門的かつ煩雑な業務を全面的に代行することが可能です。

これにより、執行者様のご負担を限りなくゼロに近づけることができます。

ポイント3:「通知」だけで済むことの重要性

遺言がある場合、相続人同士で「話し合い」をする必要はなく、遺言執行者から他の相続人へ「通知」をするのが基本となります。

特に、相続人間で関係性が良くない場合、この「通知」という一方的な手続きだけで済む点は、精神衛生上、非常に大きなメリットと言えます。

当事務所が文面作成から発送までを担うことで、そのメリットを最大限に活かすことができます。

ポイント4:遺留分について

ご主人様のお子様には、法律で最低限保障された相続分である「遺留分」を請求する権利があります。

今回は遺留分の請求はありませんでしたが、当事務所では、事前にその可能性についてご説明し、もし請求があった場合にどのように対応すべきかについても、あらかじめアドバイスをさせていただきました。

こうした将来のリスク管理も専門家にご相談いただく利点です。

ご自身での手続きが不安な方、他の相続人との関わりに悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、相続の専門家である司法書士にご相談ください。

お客様にとって最善の解決策をご提案いたします。

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この記事を担当した司法書士

司法書士法人リーガル・パートナー

代表司法書士

小和田 大輔

保有資格

司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者
群馬司法書士会 第475号
簡裁訴訟代理認定番号 第307038号

専門分野

不動産登記全般、相続全般

経歴

群馬司法書士会所属。平成10年に横浜国立大学卒業後、大手ハウスメーカーに入社。同年に宅地建物取引主任者試験に合格。平成13年に退社後、平成15年に司法書士試験と行政書士試験に合格。平成16年に合同司法書士リーガル・パートナーを開業。同年に簡易訴訟代理認定を取得。平成17年に群馬県初の司法書士法人である、司法書士法人リーガル・パートナー開業。現在は、群馬県の太田市を中心に、桐生市、高崎市に事務所がある。群馬県の相続の専門家として、群馬県内の相続の相談に対応している。


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